5月29日東京の最高裁判所大法廷で行われた弁論の様子は、NHKニュースでも手話通訳と字幕付きで報道されていたようです。お茶の間に流れると、「こうしたことがあったのだ」と気付いてもらえることになりますが、本来なら、もっと早くに取り上げて貰いたい事柄です。無念にも裁判の途中で亡くなられた被害者の方もおられますし、そもそも分かっているだけでおよそ25000人もの人が「不良子孫の出生防止」を目的に1948年に制定された旧優生保護法下で、1996年母体保護法に改正されるまでの間に不妊手術を受けさせられていました。裁判は起こさなくても、人知れず悩み苦しんだ被害者は多くおられるでしょう。
障害のある人やハンセン病だった人ばかりではなく、国がおこした戦争の巻き添えで孤児となった人や、そんな中でも生きていくために売春をしていた人、素行不良と判断された人など「問題」があったと判断された人なども対象でした。そして北海道の事例のように、その処理人数を誇ったかのような文章も残っています。「自分で人生決めたかった」と弁論で思いを語った被害者の無念な思いを汲んで、国には謝罪をしていただき、裁判で闘っている人はもちろんのこと、被害者全員が救済されるよう思い切った対応をして下さるよう願います。
他の新聞は取っていないので比較ができませんが、森 敏之記者が一生懸命書いておられる京都新聞の紙面スクラップを載せました。
副代表でもある谷 進一監督に教えて貰って、昨夕はZoomで報告集会を拝見しました。
そのメモ書きから、いくつかを。
・国は法的安定性を言うが、うわべだけの判断だ。社会的障壁があっても当然だと言っている。
・誰もが人間としての尊厳を守れる社会に。今も仮名や匿名の人がいる。その意味を考えて貰いたい。まだ実名で訴えられないでいる方々に思いを馳せたい。
・一時金延長は認められたが、全面解決のために全力を尽くす。
・国会で決めたことなのに、「裁判所が矩を踰えている」と国は言うが、国が変わらないから裁判所が皆さんの尊厳を取り戻し、優生思想を絶えさせるためにやっている。国が差別を助長してどうする!
・裁判所は国会に縛られると言っている。これは国会を冒涜している。何で国は責任を認めないのか。(国会議員の発言)
・「戦後最大の人権侵害。この被害については除斥期間を適用しちゃいけないよね。これで受け止めないのですか?国の主張は不当だ」と新里弁護士(語気を強めて)。
・最高裁判所を国は恫喝している。
・飯塚さん「これまでの裁判年数が長かった。良い判決が出て欲しい」
・被害の事実に触れることなく法的安定性を主張する国。障害者の体にメスを入れることを大したことがないように考えている。原告の話を聞いて、そうなことを言うなんて。
・被害者が声を上げることで社会が変わる。
判決はだいたい1か月後に出るそうです。注意して見守ろうと思います。弁論に立たれた被害者の皆さん、支援者の皆さん、本当にお疲れ様でした。良い判決が出ることを待ちます‼