今朝の神戸新聞で、谷進一監督(「共に生きる会」副代表)らが尽力された新作手話映画『沈黙の50年』の紹介記事が大きく載っています。
完成して最初に披露されるのが5月4日、JR新長田駅前の長田区文化センター。午後2時からの回はまだ申込を受け付けておられるようですから、ぜひどうぞ。当団体では8月18日におもちゃ映画ミュージアムで上映と二胡の演奏、そして谷監督のトーク付き特別プログラムで4回開催に協力します。近日チラシができると思いますので、もう暫くお待ちくださいませ。
新長田駅近くの「ふくろうの杜食堂」でこの映画の核になる小林寶二さんの体験談を聞いたのは、ちょうど一年前の4月30日、青空が広がって綺麗な日でした。その時の振り返りを2023年6月19日付けで書いています。長文ですが、お時間がございます時にお読みいただければ嬉しいです。http://tomoniikirukai.blog.jp/archives/20250154.html
それから一年で、こうして映画が完成して大勢の方にご覧頂けるようになったのは、本当に素晴らしい。関係者の皆様方の頑張りに、大きな拍手を送ります👏👏👏👏👏
谷さんが記事の中で仰っているように、被害者の人々が沈黙を強いられてきたことを、体験者の言葉を通して映像で残すことは大きな意味がありますし、自分が当事者だと気付かないでいる人には、その周辺でお世話をされている方たちが映画を通して気付くことで補償に繋がれば良いなぁと思います。
昨年11月12日は、この問題を広く知って頂き、みんなで考える場になればと考えて、ドキュメンタリー映画『凱歌』を上映しました。同じハンセン病患者だった人を主人公にしたドキュメンタリー映画『かづゑ的』を、つい先日映画館で観ました。『凱歌』のきみ江さんと同じように、「私、みんな受けとめて、逃げなかった」と話すかづゑさんも前向きに生きて来られ、その生き方に感動しました。ただ、きみ江さん夫婦、かづゑさん夫婦とも国のハンセン病療養所で暮らし、強制不妊手術を受けさせられましたが、『かづゑ的』ではそのことに触れていなかったことを惜しく思いました。女性の監督さんだったから、尚更に。たとえ僅かでも触れて欲しかったなぁと思います。ひょっとしたらご本人が触れられたくなかったのかもしれませんが、もしそうだとしたら、それこそ手話映画のタイトル「沈黙の50年」の通り、社会が沈黙を強いていたからだと思います。
先日来家を掃除していて、大好きだった金子みすゞさんの詩集を久しぶりに手にしました。
『私と小鳥と鈴と』
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
障害があろうと、なかろうと、ひとり一人を大切にして、輝いていける世の中にしたいです。被害者たちの訴えに耳を傾けることで、誤った優生思想に気付き、今もはびこっているその考えを断ち切り、多様性を認めて、誰もがその人らしく生きていける社会にしていきましょう。