2022年10月

今朝から大勢のお客様が映画『ヒゲの校長』資料展に来てくださっています。午後からこの映画のクラウドファンディング賛同者の方たちをお招きして、先行上映会が京都市内で開催されるので、その前に立ち寄って下さいました。予告編もご覧いただいているので「なお一層、映画を観るのが楽しみ💗」と仰っていました。

ずいぶん遠くからもお越しで、幅広い地域からこの映画を応援して下さったのだとわかり、皆様の温かい思いやりが伝わってきました。映画の主人公髙橋潔が校長を務めていた「大阪市立聾学校」同窓会会長ご一家の皆さんも訪ねて来てくださいました。来館者の中にはこの学校の卒業生の方が幾人もおられ、皆さん懐かしそうに展示をご覧になっています。


メモパッドも用いながら会話していると、手話は手だけでなく、顔の表情や、口の動き、体全体を使った言葉なのだと思います。コロナ禍でマスク着用が求められた日々にあっては、聾者の方たちのコミュニケーションにも多大な影響が及んだことでしょう。

簡単な単語を一つずつ覚えて、使ってみると良いですね。今回の取り組みが、そのひとつの契機になればと思います。

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さて、先行上映会に合わせたかのように今朝の京都新聞総合面で、『ヒゲの校長』が完成し、資料展が開催されていることを紹介して貰いました。新聞の力は大きいので、これまで手話に関心がなかった方の目にも触れて、興味を持つ人が増えたら良ですね。
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この映画の広報スタッフさんが、チラシを作って下さいました。展示は10月30日までです。残り僅かな期間ですが、ご都合よければぜひお運びくださいませ。このチラシ下のQRコードを読み取っていただけましたら、今後の上映スケジュールがお分かりいただけます。

今朝は、NHK連続テレビ小説「舞い上がれ!」の一週間ダイジェスト版を見てから、いつものように古い京町家を再活用した「おもちゃ映画ミュージアム」に出てきました。多忙もあって朝ドラを見る機会は減っていたのですが、10月7日付け京都新聞「梵語」を読んで、「見なきゃ!」と思うように。
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記事を読んで初めて知ったのですが、このドラマの脚本を書かれたのが、元上司だった方のお嬢さんでした。歌会始に招かれた時に着る着物をお母さまとお嬢様が買いに行かれた折の話を、当時南部支社長だった桑原毅さんがとても嬉しそうに話して下さったのをよく覚えています。桑原亮子さんは重度の聴覚障害をお持ちだったことを今まで知らずにいましたが、こうして「書く」立派な仕事をされていることを、きっと桑原さんは天国で喜んでおられることだろうと思います。

「床を伝って声の振動が自分のところまで来た」という表現は、今日のお客様からも聞きました。いつものように手回し映写を使って映写体験をしていただいたのですが、余りに目を輝かせて嬉しそうにされたので、つい「本当はこのカタカタ鳴る音を聞いてもらいたかった」と言ってしまいました。その時、彼女は「大丈夫、ハンドルを回す手から振動が伝わってきたからわかります」と仰ってくださいました。体全体で聴覚をカバーされているのですね。

こうして書いている間にも、次から次と資料展をご覧になりに来てくださっています。いろんな方とメモパッド片手に、ついでに身振り手振りも交えて、おしゃべりして、楽しい毎日が続いています。お陰様です💗💛💖

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一昨日は、京都新聞の記者さんに、私が普段活動している“おもちゃ映画ミュージアム”に来てもらって、30日まで開催している映画『ヒゲの校長』資料展の取材をしてもらいました。

この展覧会は“共に生きる会”第3回事業として11月3日にミュージアム近くのNISSHA本館(国・登録有形文化財)でこの作品の上映会をするので、少しでも動員に繋げることができ、更には今後この映画が各地で上映されるきっかけにもなったら良いと提案して実現しました。幸いにも11月3日の第3回事業の方は動員の心配をする必要が全くなく、逆にお断りをしなければならない状況で、途中定員を増やして対応しても、まだキャンセル待ちの方が幾人もおられるほど関心が高いです。

資料展の方も、連日聾者の方を中心に遠方からも見に来てくださっています。手話の映画が、無声映画保存活動の様子を知っていただく機会になろうとは想像だにしていませんでした。何からご縁が結ばれるかわからないものですね。

昨日は写真中央に写っている小畠由佳理さんから教えてもらった“電子メモパッド”を買ってきました。

電子メモパッド
これまではメモ紙で筆談して会話してきましたが、これはペーパーレスで便利。何度でも書いて消してができますし、厚さ5ミリで軽い。早速、展示している道具たち、保存している映像や、体験などをこのメモパッドでサッサと書いては見せて、ワンタッチで消して、また書いてと繰り返し。私、言ってる割には手話ができませんが、これを使うとコミュニケ―ションが楽にはかれて良い調子。

今日お見えのお客様は、映画の主人公髙橋潔が校長を務めた大阪市立聾学校で小さい時から学んだ方。本作品に出演し、脚本も手掛けられた前田浩さんは4つ上の先輩なのだそうです。今は関西大学でボランティアをされていて、毎年同大学で開催されている「地方の時代」映像祭のスタッフとしてもご活躍。そんなこともあって私どもの活動に興味を持って下さり、「とても貴重な施設だから、広報するわ」と仰って、チラシを持ち帰って下さいました。その後のメールのやり取りで「目で聴くテレビ」の仕事もされていたそうです。お互いにとても良い出会いの場となりました💖

映画では髙橋校長が6本の映画を作ったという場面がありますが、この映画が学校に保存されていて、この方は「小学1年の時、みんなで髙橋校長が作った映画を観た記憶がある」と教えてくださいました。
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この台本が髙橋校長が作った映画の一作品かと。1938(昭和13)年のことで、その翌年10月1日に映画法が施行されます。映画が事前検閲され国家統制される時代になります。

手話で「映画」を教えて貰いました。キャメラ・映写機のクランクを回す仕草で表現しますが、今時は、スクリーンで表現するらしく、両手を前に伸ばし、掌を手前に向けて、そのまま交互に上下に振ります。さらにわかりやすく、拳を前に突き出しながら掌を開き、映写機から放たれる光線を表現します。手話も言語と同様、絶えず変化しているのですね。髙橋校長の時代は、下の動画のようにクランクを回す仕草で「映画」を表現していたと思います。


口話がとてもお上手で、だいたいの意思疎通ができたので、補いは互いにスマホとメモパッドでのやり取り。お父様が使っておられた映写機もあったようで、「断捨離なんかするんじゃなかった。『ヒゲの校長』資料展で母校が懐かしくなり、一刻も早く大阪で上映して欲しい」と話しておられました。右のお友達は、京都府立聾学校で幼~高等部まで通われたそうです。お二人とも谷監督の前作『卒業~スタートライン~』をご覧になっていました。この作品は約50年前、京都府立聾学校で手話が禁止されたことに対し、立ち上がった生徒たちの実話をもとにしています。

『ヒゲの校長』が描く100年前は手話が否定されましたが、それ以前は手話が使われていました。それが、なぜ禁止されて、アメリカで進められていた口話を国は推進したのでしょう。そして、せっかく髙橋校長たちが奮闘して守った手話が、その50年後に再び「手真似はダメです」と否定され、口話が押し進められていったのでしょう?

歴史が好きなので、ちょっと社会背景と髙橋校長が生きた時代を振り返ってみようと思います。

髙橋が大阪市立聾唖学校に赴任してきた1915(大正4)年の前年に第一次世界大戦が勃発します。

同聾学校教員の大曾根がアメリア留学中にヘレン・ケラーと会い、その助言によって手首から上だけで表す“大曾根式指文字”を教員らで考案して1931(昭和6)年に発表します。その年9月に満州事変が起こり、翌年3月に日本は中国東北部に傀儡国家“満洲国”を建国します。

同聾学校の藤井も海外の聾学校を視察して「子どもの力に応じて手話、指文字、口話を併用していて、子どもたちのコミュニケ―ションも活発だった」と報告し、髙橋たちは子どもらに合った適正教育を進めるORAシステムを発表します(大阪のO、聾のR、唖のA)。
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1933(昭和8)年、文部省「全国盲唖学校校長会」で、文部大臣鳩山一郎が「国民としての思想を高めるためにも、全国の聾唖学校には口話教育に奮励努力していただきたい」と訓示します。この年3月、日本は国際連盟を脱退し、文部省は「非常時政策」をとり、「映画国策樹立のための建議」が帝国議会に提案しされ、映画統制が始まります。
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髙橋らが車座で菊池寛原作の芝居『父帰る』を公演した1940(昭和15)年は、紀元二千六百年奉祝祭が国中で展開されました。そして、その翌年12月8日に太平洋戦争が勃発します。

戦争がヒタヒタ近づき、やがて戦争一色になり、やがて泥沼に。そういう時代にあって、国による口話推進の背景には、聾唖者教育に対しても軍部の圧力があったのではないかと思うのです。同じころ、手旗信号やモールス信号がより軍事的に有効だと考えられて重要視されます。モールス信号は1837年アメリカのサミュエル・モールスが原型を考案しましたが、日本が推進しました。
モールス信号
モールス信号裏
口話も考えようによっては同じで、口の形を読むのでスパイ活動にも使えます。想像をたくましくすれば、そういう思惑が国にはあったのではないかと思うのです。

校長会で訓示を垂れたのは、国民を一つに統制するにはいろんな意見があると厄介なので、異論を抑えつける狙いを感じます。手話が否定され、口話が推進された背景には、力で国民を統制していった時代背景が影響しているように思うのです。映画ではこうした時代背景が全く表現されていませんが、そうした昭和史と結びつけてご覧になると、より一層意義深いと思います。

ともあれ、どんなに政治の力で手話が否定されても、子どもたちの中では手話が使われ続け、今に至ります。今は手話も口話も併用され、子どもたちの適性に合わせた教育が行われています。

一番最初に載せた京都新聞の取材に備えて、小畠さんが事前にメモ書きを用意してきてくださいました。
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小畠さんは生まれつき聞こえなかったのですが、近所の仲良しさんと一緒に遊んだり勉強したりしたいので小学校5年生で聾学校を出て普通の学校へ入り、大学まで過ごされました。中には普通の学校から聾学校に戻った人もおられるそうです。「聾学校では口話教育が厳しくて苦しかったけど、一生懸命取り組んだ」と小畠さん。

上掲写真右上に少しお顔が写っている小川和久さんも口話教育を受けた方です。写真下に少し写り込んでいるイラストを描いた方。今回の資料展で小川さんの5作品も展示していますので、ぜひ見にいらして下さい。映画にも出演されています。

その小川さんにも口話のことを尋ねましたら「学生時代は難聴クラスに通い、手話を知らず、口話の時代に学びました。社会にでると、人の口の形が読み取れず、非常に難しかったです。筆談ばかり。手話する友人から手話を学び、話しやすく、コミュニケーションの効果がありました。昔の時代は、手話の世界を知らず、後悔しました。現在は、バリアフリー(字幕、パソコンなど)、手話の世界(テレビ、映画、イベントなど)が広がっていて、若い人たちが羨ましい気持ちです」と教えて下さいました。

今日は小畠さんを先生に、手話を習い始めたばかりのお客様と一緒に俄手話教室。「頑張ります」「頑張って‼」「気を付けてお帰り下さい」「ありがとうございました」「嬉しい💖」「可愛い」などを教わりました。そのお客様は明日までに指文字を覚えないといけないのだそう💦

指文字 - コピー
聾の方たちのネットワークには目を見張るばかりで、展示期間中に近在だけでなく、遠くからも足を運んでくださっています。正直に申せば、聾者の方がこんなにたくさんおられるのかと思います。谷監督が話すように「学校で英語を習うように、簡単な手話を誰もができる世の中に」なれば良いなぁと思います。けれども、方言と同じように「東京の手話」「大阪の手話」のように、地域によって異なるのだそうです。なかなか簡単にはマスターできませんね。先ずは、手話を知って貰うことから始めましょう。谷さんによれば『ヒゲの校長』は手話の歴史が分かる最初の映画になるそうです。今後各地で上映されますので、ぜひその折に広くご覧頂きたいです‼

10月17日夜に、「『ヒゲの校長』が完成した」と谷進一監督から一斉メールが届きました。22日にクラウドファンディング賛同者の皆様対象に先行上映会がありますので、それに向けて作業を進めてこられ、間に合うことになって何よりです。
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昨日は、刷り上がったばかりの上掲“プレパンフレット”を谷監督が届けて下さいました。22日の先行上映会ではもちろんのこと、11月3日上映会参加者の皆様にも配ってくださるそうですので、お楽しみになさって下さい。他に映画を制作された聾宝手話さんは、上映に際し、パンフレット、クリアファイル、ポストカードを販売されますし、“プレパンフレット”表紙に用いられている小畠由佳理さんがロケ地を描いた水彩画も数点展示販売されますことも併せてご案内いたします(当然のことですが全て一点もので、額装)。


「共に生きる会」第3回催しとして『ヒゲの校長』を上映しようと4月から動き始め、会場をお借りしようと一般財団法人NISSHA財団様への借用依頼から始まり、京都府地域交響プロジェクト交付金・京都市人権啓発活動補助金・公益財団法人京遊連社会福祉基金助成金の申請、京都市身体障害者団体連合会・一般社団法人京都ボランティア協会・社会福祉法人京都市中京区社会福祉協議会への後援依頼、朱一学区民生児童委員協議会・朱一学区社会福祉協議会への協力依頼と、立て続けに慣れない申請書作成に取り組んでまいりました。

今もなおコロナ禍にあることから感染拡大防止に努めるべく、会場のキャパを半分の50名に設定し、出来るだけ赤字を減らそうと、2部制を検討しました。春の申請書作成の段階で監督、撮影者から「90分から100分でまとめる」とお聞きしていましたので、100分と仮定して、14時開始の第一部、17時開始の第二部として計画し、チラシも作りました。

そうして広報を開始し、参加者も募りました。開始早々から申し込みが殺到し、(一財)NISSHA財団様に相談して、定員を80名に増やして対応してきました。その間、ずっと気にしていたのは実際に上映する作品の長さでした。今日監督に確認しましたところ、まだ編集中のようですが、120分だとの返事がきました。

それで今朝、再度(一財)NISSHA財団さんに相談して、1時間会場借用の延長をお願いしました。幸いにも他の計画が入っていないことから使用許可が出ましたので、当日のスケジュールを以下の通りに変更します。
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第一部の開場:13:30 開演14:00~16:30 
第二部の開場:16:50 開演17:20~19:50 



誠に申し訳ございませんが、何卒ご了承下さいますよう、宜しくお願いいたします。第一部と第二部の入れ替え時間に余裕がございませんので、来場の際は釣銭がないよう参加費1500円を現金でご用意してお並びくださいませ。

会場は国・登録有形文化財ですので、水筒やペットボトルなどに入った水やお茶は構いませんが、簡易キャップの珈琲などは禁止です。食事も一切できませんので、くれぐれもお気を付けください。会場入り口での検温・手指の消毒にもご協力をお願いいたします。

せっかくの機会ですので、第一部参加の皆様には終了後に、第二部参加の皆様は開演前の時間を利用して、ぜひ1階の「NISSHA印刷歴史館」をご見学(無料)ください。手話通訳ができるスタッフを用意しています。
NISSHA印刷歴史館の開館は
第一部受付開始前の13:15頃~13:50分
第一部終了、第二部開始前の16:25頃~17:10
(第二部終了後は時間も遅いので閉館となります)

「文化の日」が充実した一日になりますよう一生懸命取り組みますので、皆様のご協力を何卒宜しくお願いいたします。

最後にもうひとつ。第一部、第二部とも既に予約で満席となっております。それぞれの部でキャンセル待ちの方が幾人もおられます。ご予約いただいた方で、万一ご都合が悪くなった方がおられましたら、できるだけ早くお知らせくださいませ。連絡先は、「共に生きる会」(おもちゃ映画ミュージアム内)電話075-803-0033、ファクス075-803-0034、電子メールfumiyo@toyfilm-museum.jpです。

重ねてのお願いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

【お願い追記】11月3日は正門から会場の本館のみが立ち入り許可区域となっています。それ以外の場所については、セキュリティの関係から見学をお控え下さい。宜しくお願いいたします。

もう1点、正門で受け取られた赤色ストラップの入館証は、お帰りの際に正門の係員さんへ返却ください。くれぐれもお持ち帰りなさいませんようお願い申し上げます。

映画『ヒゲの校長』上映に向けて、バタバタしている毎日ですが、そんな中でも関心を持っている強制不妊問題に関する記事が2回京都新聞に載っていましたので、少し遅くなりましたが掲載します。
2022年9月23日付け京都新聞
9月23日付け紙面です。聴覚障害のある大阪府の70代夫婦が国に、旧優生保護法(1948-96年)下で不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして損害賠償を求めた裁判で、大阪地裁は旧法を憲法違反とした上で、不法行為から20年で賠償請求権が消滅する「除斥期間」が経過したと判断して、請求を棄却しました。

別の今年2月と3月に行われた大阪高裁と東京高裁では「時の壁」を乗り越える画期的判決を出して、国に賠償を命じたので、流れは変わるかなぁと少しは期待していただけに、とても残念な結果です。生後50日で高熱のため聴力を失った女性は20代で何の説明もないまま不妊手術を受けさせられたと言います。手術から48年、下腹部にはその折の約4センチの傷痕が残っているそうです。

女性は2018年仙台で提起された全国初の同種訴訟をめぐる報道で知って裁判を決意しますが、重要な証拠となる手術記録がなかったことから、手術を証明してくれる医師を探すのに時間がかかり、提訴したのは2019年12月のことでした。このため「訴訟提起に必要な情報を得られるようになった時から6か月以内に提訴する」ことができず、地裁では「除斥期間が経過した」と判断されました。

今年6月の法廷で、女性は手話で「息子は耳が聞こえる。障害は関係ない。子を産めるか産めないかは国が決めることではない」と訴えました。全くその通りだと思います。
2022年9月27日付け京都新聞

こちらは9月27日付け京都新聞。仙台、東京、名古屋の地裁に、「旧優生保護法下で不妊手術を強いられたのは、個人の尊厳の侵害で違憲だ」として、障がい者ら6名が国に損害賠償を求めて一斉に提訴したそうです。昨年6月の第2回事業で「映画『ここにおるんじゃけぇ』から強制不妊問題を考える」をした折に、国が被害者に一律320万円を支給する一時金の額についても話題になり「余りにも少なくて気の毒すぎる」との意見が出ましたが、この一時金額の見直しも、国は見直しをすると言いつつ具体化していません。該当者たちは高齢なので、一刻も早い救済が求められます。

うっかり記事を読み逃しましたが、9月国連の障害者権利委員会は旧優生保護法問題について、救済制度を見直して、申請期限を設けないことや全ての被害の特定と補償などを日本政府に勧告し、適切な救済がなされるよう促したのだそうです。

国の統計上だけでも被害者は約2万5千人もおられ、人生で抱えさせられた代償としては僅かな金額でしかない320万円の一時金でさえ、認定されたのは約千人しかおられないそうです。『ヒゲの校長』への後援申請ができないかと思って、京都市聴覚言語障害センターを訪れた時、玄関のラックにこの問題の救済制度を書いたチラシを見ましたが、まだまだご存じじゃない方、人目を気にして声を上げない方も大勢おられるのではないかと思いました。

旧優生保護法下で大変な目に遭った方々に「時の壁」を適用することなく、一日も早く救済して上げて欲しいと願わずにはおれません。
【後日追記】
京都新聞対向面に載った小さな記事ですが、忘れないうちにスクラップを貼っておきます。

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人生を台無しにされた代償が僅か320万円とは少なすぎるといつも思うことですが、それでも3名の方の主張が認められたことは良かったです。一方で不支給3名、保留1名の方の無念さはいかばかりでしょう。残された人生をもっと暗くしないで済むよう、暖かい判断をお願いしたいです。

11月3日に実施する共に生きる会第3回事業「手話映画をNISSHA本館(国・登録有形文化財)で観よう!」は、お陰様で申し込みが相次ぎ、会場の一般財団法人NISSHA財団様にお願いして、急遽席数を第一部、第二部とも30席ずつ増やしました。それでも第一部は既に満席で、第二部も今日あたりで満席になります。多くの方に関心を寄せて頂きましたこと、心より御礼を申し上げます。

それでも鑑賞ご希望の方には恐縮ですが、“キャンセル待ち”という形で登録させていただき、空きが出次第ご連絡を差し上げる方法にて対処させて頂きます。どうぞ宜しくお願いいたします。

なお、ご予約を頂いたお客様で当日参加が難しいと思われる事態になられた方がおられましたら、できるだけ速やかにご連絡をお願いしたいです。電子メールの場合はfumiyo@toyfilm-museum.jp、電話の場合は075-803-0033、ファクスの場合は075-803-0034(いずれもおもちゃ映画ミュージアム内)へお願いいたします。
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チラシ右上に小さく書きましたが、10月5日(月)~30日(日)に、おもちゃ映画ミュージアム(京都市中京区壬生馬場町29番地1。壬生操車場の近く)で映画『ヒゲの校長』のミニ資料展を開催します。
おもちゃ映画ミュージアムのQRコードです。ミュージアムのQRコード


昨夜谷進一監督から額装する展示物第一弾を受け取りました。

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撮影の様子を撮った写真の他に、小川和久さんが描いてくださったイラスト5作品もあります。スタッフや出演者の皆さんの特徴をよくとらえて描かれていると思います。ハンドルを握っているのが谷進一監督ですね。

小川さんは子どもの頃から絵を描くのが大好きだったという聾の方です。私どもが発足した2020年に最初の事業「語りと映画で知る『ストーマ』のこと」を実施した折、
小川和久さんに下掲リーフレット用にイラストを描いて貰いました。
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これが八つ折りの「日常で使う手話イラスト50 やってみよう手話」です。11月3日参加者の皆様にもお配りしますので、ぜひ使ってみて欲しいです。

他に人気がある小畠由佳理さんのイラストも3日に届く予定です。後は映画で用いた衣装や小物、もちろん台本なども展示しますので、ぜひ期間中に見に来てくださいね。

恐縮ですが、施設維持のために入館料500円(障がい者手帳持参の方は50円引き)が必要で、中学生は300円、小学生以下は無料です。月・火曜休館。期間中は原則10時半~17時まで開館していますが、9日(日)、15日(土)、29日(土)は催しと重なるため、他の開館日にゆっくりご覧いただけると嬉しいです。どうぞ、宜しくお願いいたします。

展示をご覧になって映画への期待をどんどん膨らませていってくだされば嬉しいです‼

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